たかぱん

  知ったことではない

びっくり聖書解釈

 ユダが、銀貨を返してなんとかイエスを裏切った罪から逃れようとしたのに対して、ユダヤ当局は、「我々の知ったことではない。お前の問題だ」(マタイ27:4)と冷たく返答します。
 これは、「私たちに対して何なのだ。お前自身で片づけよ」というふうな意味の言葉です。
 これを冷たく感じるのは読者誰しもそうでしょう。政治というのはそういうもので、個人的な事情に左右されている余地などありません。大局を動かすことこそ重要です。政府や権力の建前を健全にし、それを維持していくことにこそ重きがありますから、この言明はまさにその通りです。
 が、果たして私たちはこのような言い方をすることはないでしょうか。もしかすると、隣人に対して、私たちはたいていの場合、このような考え方をしていないでしょうか。
 他人の苦労は他人事に過ぎず、それは自分の知ったことではない、という態度でいるのが、実は日常ではないでしょうか。環境問題も、社会的問題も、私たちはたいてい、そのようにしているのです。少なくとも、私は、そうです。
 イエスが、随所で愛することを命じます。このとき、このようには考えるな、と言っているように、聞こえ始めるようになりました。 



「我々の知ったことではない。お前の問題だ」
(マタイによる福音書27:4/新共同訳-日本聖書協会)

Takapan
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