たかぱん

  悪を為さずに済んだこと

びっくり聖書解釈

 ヒヤリとすることがあります。
 あと少しスピードを出していたら、ぶつかってしまっていただろう。車を運転する人は、そんなふうに思ったことが、きっとあるでしょう。
 もしあのとき左右を確認しないで飛び出していたら、車に轢かれていただろう。歩行者の立場でも、そんなふうに感じたことが、あるのではないでしょうか。
 こういうのもあるかもしれません。あのときあの店員がこちらを見ていなかったら、万引きするところだった……。
 悪いことにならずに済んだのみならず、悪いことをしなくて済んだ、ということです。それは非常に不思議なことです。自分が理性的に、道徳的に、思いとどまった、などと言い切れない部分が、人間の行動には、あるものです。
 ゲラルの王アビメレクは、アブラハムの妻サラを、夫ある身とは知らずして、召し入れてしまいました。まだサラに手を出してはいなかったその夜、神は、夫ある女に手を出すと王は死ぬと告げられ、恐れます。そこでアビメレクは、自分は知らなかったのだと身の潔白を主張します。すると神は、罪を犯させないようにさせたのはこの私である、と言い、先の「おまえは死ぬ」という言葉を撤回するのです。  



神は夢の中でアビメレクに言われた。「わたしも、あなたが全くやましい考えでなしにこの事をしたことは知っている。だからわたしも、あなたがわたしに対して罪を犯すことのないように、彼女に触れさせなかったのだ。
(創世記20:6/新共同訳-日本聖書協会)

Takapan
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