ご飯食べた?――(パンモゴッソ?)

2018年3月14日

韓国出身の教会員のために、韓国語を覚えたい。妻は、自分が手話に対してもっているポリシーを、韓国語に向け始めたのみならず、本気で取り組み始めました。
 
「ご飯食べましたか」という言い方が、韓国語では、「こんにちは」のような挨拶の言葉の役割を果たすという説明を知って、私のような者は「へぇ」で終わりそうなところを、妻は「それ、よく分かる」と膝を叩くのでした。
 
先日、遠方にいる次男が、ひょっこり帰ってきていました。教会で礼拝後、事情があってオルガンを運ぼうとして、男衆で「よいしょ」と抱えようとしたとき、目の前に次男がいたので、私は夢を見ているのかと思いました。「なんでおるん?」と言うと大笑いをしていました。確かに、その後教会の会合があり、その先輩のような立場ではあったので、考えてみればいてもおかしくはないのですが、なにぶん遠方に住んでいるわけで、帰るという連絡もありませんでしたから、たまげました。
 
妻は、そんな次男を見てまず、「ご飯食べてる?」から声をかけようという気になりました。あるいは「お腹空いてない?」あたりから。
 
三男も、教会に突然顔を出すと、スタッフにはたいてい「お腹空いてない?」から声をかけられ始めます。
 
そう、私たちは、親のような立場から子どもに向けてまず口にすることは、「こんにちは」でもないし「ようこそ」でもないし、「お腹空いてない?」なのです。家族が帰宅すると、最初にそこから入るというのが自然であり、また、さしあたり無事である様子を確認したらその次は、ちゃんと食べているかどうかが、気になって仕方がないのです。それが、自然な愛情だとは言えないでしょうか。
 
してみれば、韓国語で「ご飯食べましたか」のフレーズが挨拶であるというのも、心豊かな通い合いを表す、すてきな言葉であることを感じます。そして、教会で若者を見てまず「お腹空いてない?」と声をかけるということは、ほんとうに心からここが神の家族なのだなぁと感じるのです。



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