あるはずだと思っていた
2003年4月24日


 いつも他人のあら探しばかりしているような気がしますので、今日は自分の失敗をご紹介しましょう。

 この4月、車検を受けました。前回の車検の後、ディーラーの担当者が退職し、別の担当者が紹介されたのですが、あいにくその新しい人は、一度も顔を見せることはありませんでした。商売熱心ではないなぁと思いつつ過ごしてきましたが、いよいよ車検の時期が来ました。私は正直、乗り気ではありませんでした。前回ディーラーに任せたのは、以前の担当者がサービス熱心だったからです。日頃それだけの世話をしてもらったなら、たとえ他の民間車検より若干費用がかかろうとも、任せてよい、という気持ちにさせてくれたのでした。でも、それがない今は、家計が苦しいせいもあって、安い民間にしようか、と考えていました。
 一応、新しい担当者から電話が来ました。私は、いくらかかるか見積もって欲しい、と頼むと、ファクシミリで送るとの返事でした。
 が、その見積もりがなかなか来ません。やはり商売気がないのかも、と私は、迫り来る車検の期限を気にしながら、他の車検の広告を集めたりしていました。しばらくしてから電話が入りました。ファクシミリはまだ来ていないと答えると、すぐ送ります、とのこと。送る係が忘れていたようでした。やっとしばらくしてから届きました。高い。見積もりは二種あり、さまざまな整備を付加したほうは12万かかるし、車検のみでも10万を超えます。しかも、それからもまた電話はすぐには来ません。もう一週間も期限はありません。私ものんびりしていたもので、なんとかなると思っていたのです。
 そして電話が入りました。私は、高い、と答えました。いろいろ待たせた上にこの値段ではできない、と言いました。もっと安くできないか。担当者は上司と相談した後、では、全部の整備をした上で、安い方の見積もりの額にしますがどうでしょうか、という話をもってきました。どうしても額は落としたくなかったようです。この心意気は買いました。ではそれでお願いします。
 私はさらに、代車はタバコ臭くないようにとか(以前、タバコ臭くて困ったことがありました)、マンションの車庫に入る大きさはこうだとか、朝早くに受け渡しを頼みたいとか、わがままな注文をし、すべて受け入れてもらいました。いやな客かもしれませんね。

 翌日、きれいに整備された車が戻ってきました。費用を支払ったところで担当者が言いました。
「あの……納税証明書がなかったのですが」
 え? 車検証に入れていたはずなのですが……。ない。部屋に戻り、重要書類を置くならここ、という場所を2カ所、ひっくり返して探しました。ありません。古い分の納税証明書なら車検証にずっと入ったままになっているのですが、去年のものだけが見当たりません。ほかには考えられないのです。納税してすぐ、車検証のファイルに入れたはずなのです。
 だいぶ下に待たせてしまった挙げ句、戻ってまた車検証ファイルを探しましたが、やはりありません。
 担当者は、「ではこちらで再発行を申請しますので、いいですよ」と言ってくれました。
 穴があったら入りたい気分です。
 車を引き渡す前に、納税証明書は確認していたのに。私は気づきました。私は、「平成14年5月まで有効」のものがあったので、安心していたのです。つまり私は、今年2003年が、平成14年だと思いこんでいたのです。
 日頃西暦しか使わないので、今年が平成15年であるということを、一度も記したことがありませんでした。新聞の各ページにはそう書いてありますが、そんなところを見ることもありません。
 さすがにこのことは言えませんでしたが、待たせた挙げ句に証明書がないというのは、なんとも申し訳ないことでした。それは、こちらが、見積もりが遅かった、と文句を言ったよりもひどいことではないでしょうか。

 あるはずだと思っていたもの。よほど確認しないと、こんなふうになることがあります。
 京都の牧師がよく口にしていました。
「あると思っていてもないのが信仰、ないと思っていてもあるのが罪」


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