本

『ウケるブログ』

ホンとの本

『ウケるブログ』
瀬賢一
技術評論社
\1239
2005.2

 ブログというものに興味がなかった私だが、その気軽さや便利は見直すべしということで、手軽なメモは平気でブログに出すような恰好となってしまった。
 規格品の中で、味気ないように思うけれども、気楽さは間違いない。
 しかし、そんな程度の理解とは異なり、ブログにどれほどの魅力をもって見てもらうかということにしのぎを削る人々は、どうしたら人気ブログとなるだろうかと日々思案しているわけだろう。
 以前、サイト構築で悩んだことを、ブロガーたちも悩んでいることになる。
 どうすれば人気が出るのか。内容や体裁にも問題がありそうだ。逆に自分が誰かのブログを見に行って、魅力的に感じたのはどういうところだろう。文体や文章表現においてもさることながら、ぱっと見た目で判断される、というのはたしかに正しい。
 こうした基本的なことも、初心者には気づかないものであろう。
 ところが、そうした効用に留まらず、私はこれを、とんでもないところで使いたい教材であるかのように感じた。それは、作文教室としてである。
 文としての作成技術も、この本には多く述べられている。書き出しの難しさとそこを具体的にどのように捉えたらよいか、など当然のこともさることながら、「しかし」を使うのを減らすべきことや、助詞の「は」と「が」の使い分けなど、文法的な意味も含めて、作文に載せる文章のコツというものも、ふんだんに取り上げられている。
 まだこの時点で二十歳を少しばかり過ぎただけの若者による本である。軽いノリのところもあるが、ちゃんと文章表現は心得ており、いわば小論文対策の作文という意味でも、なかなかのものである。
 そこで私は、提案したい。効用を、ブログに限る必要はない、と。
 高校受験で作文を強いられる生徒たちに、この本で、文章としてどのように伝えるのかをレクチャーすることだって、可能ではないかと思えるのだ。
 お試しあれ。




Takapan
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