本

『数のパズル読本』

ホンとの本

『数のパズル読本』
秋山久義
新紀元社
\2415
2006.11

 数学に親しみをもってもらうために、面白くパズルをかみ砕いたものは、数多い。しかし、古来伝わるハードなパズルを真っ向からぶつけた本は少ないし、さらにその由来や内容について細かく歴史的にも解説してくれる本は、稀である。
 このハードカバーの本は、まさにハードなパズルの本である。しかし、問題を羅列するのが目的ではない。玄人好みに、パズルの由来や意義を丁寧に語り伝えようとしてくれるものである。しかも、そのパズルの解き方を理屈から明かしてくれる。私のような者の心をくすぐり続けて最後までいってしまったという本である。
 流行の「数独」あたりから始まるところが、また憎い。日本に端を発し、世界に広まったパズルである。ルールは単純で、数字を使うのみで、計算すらいらない。ただルールに基づいて推理をはたらかせて段取りを決めていくだけである。一か八か度胸を決めて、というふうな部分はない。緻密な推理に基づいて、数字の配置が決定されていく。まさに思考力と忍耐力の活動する場となるものである。
 以後、杉なり算だの数当てマジックだの、目付字だの、あらゆるパターンの数理パズルが紹介されていく。
 そう、まさに「読本」なのである。
 私も、読みながらさすがに全問解いていくという時間がなかったものだし、内容的に知っていることも多かったもので、概観していくように頁をめくっていったものだったが、あるところでぴたっと止まり、一問くらい考えてみてよいのではないか、と考えた。それは、数の推理パズルで、算数オリンピックの決勝問題である(p200)。これは、紙にメモすることなしには、解けなかった。そして、解けた。
 きっと、まだまだ美しいパズルが、世界には埋もれていることだと思う。この本には多種多様なものが集められているけれども、ほかにも数理パズルとして有名なものはあったはずだ。こうしたものを、一冊に収めることは、できそうにない。
 たとえば「間違っていない数式」のp66からの部分など、十分に笑えるものが、まだあるのではないかと思う。




Takapan
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