本

『不思議発見図鑑 なぜだ!?』

ホンとの本

『不思議発見図鑑 なぜだ!?』
子供の科学特別編集
誠文堂新光社
\1680
2007.4

 子供の科学という本が毎月発行されている。1924年発刊というから、恐ろしく息の長い雑誌である。小学校高学年から中学生にかけてを対象としているが、いつも私が言うように、大人が読まないのはもったいない。実に科学の心を育て、好奇心を育む内容である。科学とはこういうことだ、疑問をもち検証していく手続きというのはこういうことだ、と実感する内容ばかりである。
 理科離れなどと言われている昨今は、こういう雑誌が読まれなくなっているからなのだ、とさえ言いたくなる。
 あとがきに、コママンガで、小さいころ木星の衛星が4個だと本で読んだが、今では63個だと言われているから、本で見たことを信じてはいけない、それはその時点で分かっていることにすぎないのだから、分からないことの方が多いと考えて、ほんとうかなあと疑うことから、新しい発見もあるものだ、ということが簡潔に書かれている。
 これは科学もそうなのだろうが、どんな分野においても、そういうものだと強く感じる。子どもの心に、こうしたわくわくするような知的な刺激が与えられたら、きっと世界は変わってくるだろう。
 様々な分野で特集されてきたことが、分厚い本にまとめられている。読むだけで面白いし、自分でそれを実験したり、同じものを作ってみたりしたくなる。それは、私が科学の心で楽しいと思った体験が、あるからだろうか。それとも、多くの子どもが、このような心に乗ってきてくれるという証拠なのだろうか。
 昔広範囲に読まれていた『○年の科学』も、下火である。むしろ、その時代に生きた親のためのそうしたキットが人気である。今の子どもたちよ、科学をもっと楽しもうではないか。




Takapan
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