本

『図解「マーケティング」で儲ける「営業」の本』

ホンとの本

『図解「マーケティング」で儲ける「営業」の本』
佐藤昌弘
KKベストセラーズ
\999
2006.4

 ビジネス関係を見ているのは、その「世の」方法が、教会の行動の中に活かせないか、と考えているからである。その期待通り、いやそれ以上に、有用な考え方や資料が、手に入るから感謝である。
 たとえばこの本は、広告チラシ関係を中心に展開しているのだが、5000枚のチラシで問い合わせ一つというのが標準である、という、はっきりした基準を知らせてくれる。これがありがたい。素人では、そうした業界の常識すら、知らされていないものである。
 しかし、この本で最も参考になったのは、最初のほうで強調されている、その会社には良さがあるのでそれを自覚せよ、という指摘だった。ともすれば欠点を見つめることが美徳のように考えられ、つい悪い点が目に入る。そこを考えれば状況が打開されていくという、根拠のない確信さえ抱いているものである。しかし、この本は、「よいところ」を見つけよ、というのである。
 なんのことはない、それは子どもたち相手に私が常々考えていることである。また、そう指導しているものである。それなのに、こと教会ということに関して言うなら、「よいところ」を面と向かっては認めていなかったのではないだろうか。そう反省させられたのである。
 事はチラシに限らない。DMのコストからそれを読まれるようにする秘訣、文的な誘いにおける業界の常識といったものが、遠慮なく示される。
 コピーの実例とその導き出し方のようなものさえ、なんとか定式化して示そうという意図が、随所に感じられる。
 無料サンプルはよいのかどうか。今の時代はどうなのか。顧客側から見ればどのように見えるだろうかという点の追究など、魅力的な内容を含ませている。
 例によって、見開き2頁で話題をまとめ、その後の半分においては、パワーポイントばりの、まとめ図示という形式を守っている。どうやらビジネス社員は、なんとしてでもそうした器具を扱うことができるように、圧力がかけられているかのようだ。ともかく、この形式は実に見易い。捉えやすい。そのため、またも目次がつけられていない。
 こうした本一冊によって、すべてを賄おうとするのは、虫が良すぎる。一つでも、二つでもいい。インスピレーションがはたらいて、ある程度の自信を胸に、アイディアを実用していくチャンスとなることができたら、と願う。




Takapan
ホンとの本にもどります たかぱんワイドのトップページにもどります






 
inserted by FC2 system