本

『こぶたくっく!』

ホンとの本

『こぶたくっく!』
こぶた
アーティストハウス
\1050
2006.11

「こぶた」さん。人気の料理ブログ「こぶたくっく!」が、本になった。
 主婦ではないというこぶたさんだし、料理学校で学んだ料理云々ということでもない。自分が好きで工夫している料理を公開したら、人々に受け容れられた、ということらしい。
 それが、なかなか美味しそうな料理なのである。
 そして、素人であるということからくるものかもしれないが、作り方が実に丁寧で分かりやすい。一場面ごとに、写真で紹介してある。
 理論的な説明の冴えはないかもしれないが、料理を覚えた友だちが楽しそうに教えてくれる、といったシチュエーションが、想定されるような出来具合なのだ。「これくらい、分かろうもん」といった気取りが、そこにはない。
 今、つい博多弁ふうに書いたが、このこぶたさん、まさに福岡県人であり、この本においても、語り口調がこちらの言葉で書いてある。ブログもそうであるし、そうすることで、友だちが語りかけるような効果を出していると言えるかもしれない。もちろん、私が福岡だから、そう感じるだけかもしれないけれども。
 ブログにしろサイトにしろ、何百万と情報が飛び交うわけだが、このようにして、広く受け容れられているというのは、それだけ意味があることだろう。料理という、誰もが離れることができないことで、これだけ時代にマッチした、素朴な提案があることを、うれしく思う。
 ほんとに、美味しそうですよ。
 一つだけ、苦言を述べると、この本を見ながら調理するのが少し不便かな、ということ。たとえば、思い切って、利用したい頁を切り離してクッキングカードにするなどの方法もある。せめて、見開いた状態で固定して、それを見ながら料理できるような製本であってほしかった、と思う。




Takapan
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