本

『いのる』

ホンとの本

『いのる』
長倉洋海
アリス館
\1400+
2016.9.

 絵本のような、写真集。表紙が、大きく女性の横顔を写し、印象的である。ひらがなで大きく、「いのる」。これ以上何の説明もいらないかのようだ。
 世界を旅して、世界各地の祈りがここにある。そして効果的な文章がちりばめられている。もちろん、キリスト教に限らず、世界各地の宗教の姿がふんだんに紹介されている。決して、特定の宗教の宣伝にはなっていない。平和が願われている、そのために世界中でいつも誰かが祈っている。そのことを知らせるだけである。全編にふりがながあり、ひらがなが読める子は直接読める。
 「世界を旅し、生と死の現場に立ち会った。そこで、数多くのいのりに出会った」。――ここから、始まる。
 「人びとは、平和のためにいのってきた。でも、世界から戦争はなくならない」。――子どもたちの現実がそこに描かれる。
 私の心に強く刺さってきたのは、次の頁だ。
 「いのることで、人は自分のいたらないところや、おろかなところを知ることができる。相手をせめるのではなく、自分にわるいところはなかったのか。……自分が変わっていくことで、まわりの人をしだいに変えていくことができるのではないだろうか。」
 人と人とをつなぐいのりに、希望を持ちたい著者の心がしだいに強くなる。そのようないのりがいまもあり、そして続いていくのだ、という心が、私たちの心に響いてくる。
 大きな感動を呼ぶ写真絵本である。多くの人の目に触れてほしい。あらゆる宗教や宗旨を超えて、いまこの世界に生きる誰もが、つながることができる道が、そこにあるのだから。




Takapan
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