『パンの知識』

『パンの知識』
パン食普及協議会
恒信社
\1000
2006.10

　生活の情報シリーズの21巻目であるらしいが、いかにも地味な本である。雑誌のように大きく、薄い。わずか72頁の本であるが、パンについての専門的な事柄が埋まっている。
　パンの歴史から種類、その栄養成分から、パンの製造にまつわるあらゆる知識が網羅されている。その手際よい編集には、実に驚かされる。
　およそ、パンについて調べて発表するとなると、この一冊で十分なのではないだろうか。
　もちろん、その製造過程や栄養素、食べ合わせ方などについてまで、幅広くパンについて関心の起こりうることは、何でも書いてあると言ってよい。
　そして、食生活についての危惧までが視野に入れられ、私たちの食文化、というよりも私たちの生命そのものを支えることが、つまびらかにされていく。
　巻末のレシピも、新鮮で魅力的である。
　一般にはなかなか手に入りにくい本であるかもしれない。しかし、パン好きの人はどうしても手元に置いておきたい本と言えるのではないだろうか。