本

『ボールのひみつ』

ホンとの本

『ボールのひみつ』
新星出版社
\1470
2009.5

 MONOビジュアルシリーズとしてあり、個人でなく編集部が制作している本である。
 これが、面白い。
 様々な球技があり、それぞれに使うボールが違う。また、試合用と練習用の区別もあるし、ジュニアなど年齢用に規格を変えているものもあるらしい。そのくらいのことは、素人でも知っている。しかし、○年前にルールが変わりボールがこのようになったとか、材質が変わったとか、実はメーカーにより材質は様々であるとか、細かなことになると、一般にはあまり知られていない。でも、そのスポーツを知っているものだから、興味はもつし、その逸話を聞くと「へぇ」と思ってしまう。その面白さがあるというわけだ。
 しかも、そのスポーツの歴史もついでに整理され、有名なエピソードがその歴史的ボールの写真と共に提供されるとなると、これはもう食い入るように見てしまう本となる。
 ボールは、入手できた特定のメーカーのものに限られはするが、どのメーカーでもそう大きな違いはないだろうと思われる。驚くのは、この本に載せているボールが、縦割りになっているということだ。つまり、ボールを真っ二つに切断した切断面が掲載されているのだ。
 それに、断面図がないサッカーボールであれば、従来の32枚の六角形と五角形の貼り合わせから、最近14枚の貼り合わせが開発されており、その技術の凄さを感じると共に、その目的なども知ると、驚くばかりである。
 このように、興味の尽きない話題が次々と提供されるものだから、最後まで頁を開いても、また途中に幾度となく戻って見返すことをしてしまう。図鑑でもあり、資料集でもある、飽きない本である。
 さらに驚いたのは、値段である。意外と安いと感じたのは私だけではないと思う。プロ野球の硬式球は縫い目が手縫いでいることは有名だが、それでも千円ちょっとなのである。その硬球よりもソフトボールの方が「硬い」のも、びっくりさせられる。
 私の次男が卓球部にいたこともあるので、卓球のボールについては少し知識があったが、それでも試合用の3スターが、練習用の格安の1スターと打球感で違いが分かる人はそういないだろうなどと書いてあると、1スター悪くないなと思ってしまう。目の見えない人がするための音の出るボールなども、興味深く見た。
 そしてこの本の最後に、意外なボールが載せられている。これも私の長男があるとき研究したものである。お手玉に続いて最後を飾るこれの歴史や種類も載せられているから、小学生のときにこの本が出ていたら、長男は喜んだことだろうと思う。
 いやはや、楽しい。




Takapan
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