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『化学のウンチクがたちまち身に付く本』

ホンとの本

『化学のウンチクがたちまち身に付く本』
杉山美次・岩瀬充璋
秀和システム
\1050
2006.11

 面白い。身近な物質が、どのようにしてそのような性質を帯びているのか、そのシステムについて、物理的なことでなく、化学的な説明として分かりやすく記されていて、なるほどと思うことが多い。時に難しい理論があるので、素人には難しいところもあるが、何かついでに調べてみようという場合には、そのくらいのほうがよいと感じる。
 純粋に化学の視点から記されているので、経済的な話題とか好悪の問題とかの揺らぎがなく、知識好奇心で楽しむことができるというのも、成功した一因だろう。読者の科学的好奇心を満たすことに徹している。それもそのはず、高校の化学の授業で取り上げた話題の中から、選抜されたものなのである。
 化学が苦手だという方こそ、開いてもらいたい。生活の中に見られるいろいろなものに対する視点が変わるような気がすると思う。
 一頁1項目で、イラストも豊富。また、問いに対する解答が短く一言で記されている箇所があり、実に見易い。工夫された編集となっている。
 強いて言えば、索引が欲しい。この手の本では、ちょっと思い出して、どこかに書いてあったな、とか、何かで気になってある言葉について知りたい、と思うことがある。幾分百科形式に書かれてあるこの類の本では、そうした利用があるわけで、たんに読み捨てられる本ではないと思うので、調べることが少しでもしやすいように、物質名なども含めて、ぜひ索引を設けてください。




Takapan
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