本

『九州大学 百年の宝物』

ホンとの本

『九州大学 百年の宝物』
丸善プラネット
\3150
2011.2.

 九州大学は、2011年に創立百周年を迎えた。華々しい式典は、東日本大震災の発生によりとりやめられたが、百年の学術の歴史は、九州にあって小さくない意味をもつことを改めて認識させた。確かに、本州の都会からわざわざ九州大学を目ざす、という動きは一般的ではない。しかし、そこは旧帝大。国を挙げての学問の府となっていたわけだから、優れた研究者が存在し、また優れた資料が集まっていた。
 ここに集められた大学資料は、百年に合わせて100をピックアップしている。科学的標本から古書、あるいは他では得られぬ書物や文献、機械や建物なども取り上げられている。
 ひとつひとつを眺めているだけでも、人類の叡知とは何であろうかと考えさせる。世界中からとびきりの美術品や博物資料を集めるのも豪華である。だが、ときにはこのように一地方の学術の倉庫の中に収められている資料を引っ張り出してみるのも実にいい。有名だとして私たちが見慣れているのとは違う、渋い意味ある品々や資料の存在を知るのである。
 炭鉱資料など、地域ならではのものもある。他方、実は日本で一番古い古典であるとして底本になっているものがここにあったりする。貴重なものという意味では、一級品と大差がないとすべきであるように思われてならない。
 これらは、Web上でも公開されている。九州大学総合研究博物館で美しく見ることができる。さしあたり、ギャラリーの最初にある、蒙古襲来絵詞あたりをご覧になると、親しみが沸くかもしれない。一般公開はされていないものなので、こうなるとWeb様々だと言える。
 本の宣伝にはならないが、どうぞ併せてご覧ください。




Takapan
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